奥の院から今来た道を堀越峠まで戻り、道路を渡り反対側の道路の石垣に沿って急な坂道になっている登山道に入る。こちらの歌垣山への道は完全な山道である。早くも栗が道に落ちており、秋の兆しかとも思うが、35度を超える暑さではとても「秋」を感じることは無理である。
能勢歌垣山は古代より「歌垣」の山である。
歌垣(うたがき)とは、特定の日時に若い男女が集まり、相互に求愛の歌謡を掛け合う呪的信仰に立つ習俗、とのことである。今で言えば、合コン、合ハイ、カラオケを一緒にして集まったようなものか。
能勢地域は今でこそ大阪のチベットとか言われるが、古くから開けた地域である。今でも、山間僻地というイメージで都心部から来ると、思いのほか集落や人家が多いので驚く。その昔、周辺地域からこの山に若い男女が集まったかと思うとなかなか興味深い。
|